Story of One for the Edge

One for the Edge
SHINTARO KONO, 2025
Sheet metal, plastic, electronic components
1955年7月16日
今日倉庫で、昔の工場が使っていた旋盤のホイール部品を見つけた。
息子が部屋の隅が暗いと言うので照明かなにか作ってやろうと思う。
けれど、街は夜中でもすっかり明るくなった。
世間は新しく便利そうなものに取りつかれている。
暗さというものは、すっかり過去のものとなってしまったようだ。
エマトン社 開発アーカイブより
作品について

この作品は、高野慎太郎による3作目の照明作品であり、1955年のアメリカに存在した架空の企業「EMATON ELECTRONICS社」によって発売されたという設定をもつ。
本作の冒頭には、その開発記録とされている文章が再現されている。象徴的な円形部品は、かつて第二次世界大戦中に砲弾製造用旋盤を駆動していた動力伝達部品であり、兵器製造に用いられた機械の記憶を、部屋の隅を怖がる息子のための照明として再生させている。
隅を照らすこと ─be on the edge─ は、危機にあるすべての存在を包摂する光の作用であり、タイトルの「One」と「Edge」は、その形状と言葉の構造において呼応する。
販売について
こちらの作品は現在お問い合わせのみの販売となっております。
詳しくはメール(info@shintarokono.co)またはInstagram(@shintaro.kono.works)のDMから、いつでもお気軽にご連絡ください。